日本の音楽業界において、明菜さまほどベストアルバムを大量にリリースしてるアーティストってそうは居ないんじゃないか、と思う。公式ベスト——つまりは明菜さま本人監修のものに関してだけ言えば、そう多くない、寧ろキャリア33年の歌手にしては少ない方だと思うが、問題は非公式ベスト——明菜さまの許可を取ることなく、彼女の全く知り得ないところでレコード会社が勝手にリリースしたものがもう、長年彼女を追いかけている熱心なファンでさえその全容を把握しきれていないんじゃないか、というほどに多い。
もちろん、普通に考えればそんな非公式作品など無視して、明菜さまの息がかかった公式ベストのみを所有していれば済む話なのだが、公式作品だけでは回収できないB面(カップリング)や、明菜さま本人よって没にされた企画の蔵出し(——これは別に無視しても構わないかもしれないが)など、ファンとして完全スルーするわけにもいかないものも、いやらしいことに中にはあったりして。
それ以上に頭を抱えるのが、では中森明菜をこれから聴いてみようと考えているライトリスナーは、果たして何を聴けばいいのか。Amazonで検索をかけると大量にひっかかるベスト盤のうち、どれを手に取れば中森明菜という歌手をきちんと捉えることが出来るのか。これはファンにとっても至上の命題とも言える。「1stアルバムから順番に聴いてください」というが大正解に決まってるのだが、普通に考えればちょっと興味がある程度の人間にそうやってぶん投げるわけにもいかないので、これが他のアーティストなら適当なベストアルバムやシングルコレクションを勧めるのが当然なのだが、明菜さまの場合は該当する非公式作品が多すぎる上に、その大半は内容がいい加減で中森明菜という歌手を間違って解釈される危険性もある。「世間じゃ伝説の歌姫だなんて言われてるけど、ただの昭和の古臭いアイドルじゃん」なんて思われたら、ファンとしては泣くに泣けないので、ここでひとつ、備忘録もかねて中森明菜名義でこれまでリリースされてきたベストアルバムを公式、非公式問わず思い出せるだけ簡単にまとめてみる。もちろん自分も全部所持しているわけではないので詳細があやふやだったり、そもそもすでに廃盤になっているもの、該当作品があまりに多いので抜けがあったりするかもしれないが、ライトリスナーの方はある程度参考にして頂けたら幸い。ファンの方は一緒に"ああ、あったねこんなの"と流し読みして下されば。では、時系列順に。

2016/01/30 ちょこっと改訂+「Akina Nakamori ~歌姫ダブル・ディケイド」追加更新

公式ベスト黒い太字で、非公式ベスト赤い太字で表記してあります。
※企画意図から外れるので、"歌姫"シリーズのベストはここでは取り上げていません。

BEST AKINA メモワール(紙ジャケット&SACD/CDハイブリッド仕様)
BEST AKINA メモワール - 1983.12.21/1位/71.0万枚
【収録曲】1.禁区 / 2.トワイライト ~夕暮れ便り~ / 3.キャンセル! / 4.あなたのポートレート / 5.瑠璃色の夜へ / 6.少女A / 7.少しだけスキャンダル / 8.スローモーション / 9.銀河伝説 / 10.1/2の神話 / 11.ヨコハマA・KU・MA / 12.セカンド・ラブ

エイベックスもびっくりなデビューして僅か1年半でリリースされた公式ベスト。とは言え当時のアイドルポップスって今以上に使い捨ての商業音楽という趣があったのか、別に珍しくもなんともなかったりします。キョンキョンとか聖子ちゃんなんてもっと凄まじいペースでベスト出してたらしいから、年末の恒例行事って感じ。すでにシングル6枚、オリジナルアルバムが4枚出ていたので逆にこのあたりで総括したのは正しかったかも。公式作品らしく、曲順もシングル曲、アルバム曲を自然な順番でブレンドしてあり(——「セカンド・ラブ」で締めるってのが良い)、おまけに当時の担当ディレクターによるライナーノーツ付。非常に愛が溢れているベストアルバムですね。個人的には初期のツッパリアイドル路線の明菜さまにはあまり興味ないので、ほとんど所有しているだけ状態で滅多に聴かないけども、後に大量に押し寄せてくる非公式ベスト群と比べれば雲泥の差がある良質作品。ホントに初期の中森明菜にしか興味ないならこれだけで十分かも。

BEST(紙ジャケット&SACD/CDハイブリッド仕様)
BEST - 1986.4.1/1位/77.4万枚
【収録曲】1.スローモーション / 2.セカンド・ラブ / 3.トワイライト ~夕暮れ便り~ / 4.北ウイング / 5.サザン・ウインド / 6.SAND BEIGE―砂漠へ― / 7.SOLITUDE / 8.ミ・アモーレ[Meu amor e...]  / 9.飾りじゃないのよ涙は / 10.十戒 (1984) / 11.禁区 / 12.1/2の神話 / 13.少女A

公式シングルコレクション第一弾。純粋に80年代の明菜さまを押さえたいならこれと次の「BEST II」を聴けばそれで大体事足りる。
「スローモーション」で全てが始まり、ツッパリアイドルからの変革となった「北ウイング」「サザン・ウインド」などを経て、徐々に本格派のアーティストへと変貌してゆく「SAND BEIGE」「SOLITUDE」「飾りじゃないのよ涙は」、日本レコード大賞を史上最年少受賞(当時)した「ミ・アモーレ」でひと段落、そしてブレイクポイントとなった「少女A」で締める、という曲順は完璧。リリース時はすでに「DESIRE」が大ヒットしていた真っ只中であったが、この並びを見ると外して正解だったかな、という気がする。何度もリマスターされて再発されてはいるものの、マスターテープが劣化しているためかワーナーのリマスタリング担当エンジニアが下手くそなのか、なかなか音質的に決定盤と呼べるものがないのが現状。中古で86年の原盤を購入するのが一番賢い選択でしょうか(——だったら後で紹介するSINGLES27かライノボックス買えばいいじゃん、という話なんすが)。楽曲の上品な雰囲気とは裏腹にぶいぶい主張しまくる骨太なベースラインが渋い「スローモーション」とか、自分は未だにこれでしか聴けない。

BEST II(紙ジャケット&SACD/CDハイブリッド仕様)
BEST II - 1988.12.24/1位/80.1万枚
【収録曲】1.ノンフィクション・エクスタシー / 2.TATTOO / 3.DESIRE―情熱― / 4.TANGO NOIR / 5.BLONDE / 6.I MISSED "THE SHOCK" / 7.AL-MAUJ / 8.Fin / 9.ジプシー・クイーン / 10.難破船

公式シングルコレクション第二弾。「DESIRE」で完全セルフプロデュースに移行してからそのまま歌謡界の女王として君臨するに至る、最も勢いに乗っていた80年代後半の明菜さまのシングルA面をまとめてある。一般的な中森明菜のイメージはこちらより「BEST」の収録曲群かもしれないが、個人的には明菜さまの全盛期はこちらだと思っております。
並べてみると「DESIRE」「TANGO NOIR」「TATTOO」など、わかりやすく派手でテンションの高い楽曲もあるが、「Fin」「BLONDE」「I MISSED "THE SHOCK"」など、とてもアイドル歌手とは思えぬアーティスティックで渋い世界観の楽曲の方が印象深い——ってこれ完全に好みの問題ですが。全盛期の中森明菜にしか興味がないという人はこれ一択ですよね。そもそもあまり知られていないことだけども「DESIRE」「TANGO NOIR」「難破船」あたりの代表的なヒットシングルは当時のオリジナルアルバムには未収録ゆえ、このあたりが聴きたいならベスト盤は絶対避けては通れない道なのです。だからこそ中森明菜はベスト盤だけで済ませる人が多いのでしょうが……あぁ全く嘆かわしい。
というのはさておき、後に紹介する「SINGLES27」も「オールタイム・ベスト」も良いけども、どちらも2枚組という難点あり、一見さんはやっぱりシンプルに1枚ベストがいいでしょうね。これ聴いて良かったなら90年代以降の曲や、オリジナルアルバムに手を伸ばしてみる、そんな感じで。ちなみにこのベスト、当初は「Super Club Mix」なる後のエイベックスのリミックス盤みたいなアルバムを当初リリースする予定だったのを、明菜さま本人が企画自体を没にしたため急遽リリースされたものだったりします(——当初予定されていたリミックス盤自体は後に紹介する非公式ベストで蔵出しされている)。

※※※ここから怒涛の非公式ベストラッシュ(レーベルは大体ワーナー)※※※

BEST III(紙ジャケット&SACD/CDハイブリッド仕様)
BEST III - 1992.11.10/6位/15.8万枚
【収録曲】1.二人静 -「天河伝説殺人事件」より / 2.Dear Friend / 3.LA BOHEME / 4.駅 / 5.Blue On Pink / 6.水に挿した花 / 7.LIAR / 8.CARIBBEAN / 9.赤い鳥逃げた / 10.Angel Eyes / 11.忘れて… / 12.OH NO, OH YES!

「BEST~」シリーズに堂々と泥を塗った非公式ベスト第一弾。91年(?)にワーナーとの契約が切れ、それに伴うレコード会社移籍問題で音楽活動が完全にストップしていた明菜さまに追い打ちをかけるかのようにリリース。これ以降今日に至るまで次々とワーナーから繰り出される嫌がらせのような大量のインチキベストを見るに、恐らくワーナーとの契約解除は円満なものではなかったのだろうな。ワーナー自体に企画力がないというのもあるけど、この作品に関してはジャケットがまずないよね。明菜さま本人が恐らく没にしたのであろう写真をわざわざ引っ張り出してきた感じだし(——裏ジャケはもっとヒドイ)それ以上に肝心の内容が壊滅的。
「BEST II」以降のシングル「LIAR」「Dear Friend」「水に挿した花」「二人静」のA/B面で8曲、余った分なんの脈略もなくアルバム曲の「駅」「OH NO, OH YES!」をぶち込んで、ついでのように「ミ・アモーレ」の歌詞違い「赤い鳥逃げた」と「DESIRE」のB面「LA BOHEME」を放り投げて一丁上がり、という最高に意味が分からない収録曲。「BEST III」なんて言うもんだからてっきり公式作品だと思ってしまった人もいるのでは——ハイ、自分もそのひとりでございます。ペーペーの明菜ファンだった頃に間違って手に取ってしまった苦い思い出。言い訳させて頂くと、一連の非公式ベスト群でこれだけ明菜さまの公式サイトのディスコグラフィに載ってるんですよ、何故か。大名曲「Blue On Pink」が収録されてるだけでまだ価値はあるか……でもそれなら「LIAR」の8cmシングル買った方がいい気がします。というわけでこれから中森明菜を聴こうという方は、自分みたくババ引かないように気を付けてね。

※※※ここから非公式ベストの収録曲は割愛させていただきます※※※

YOUR SELECTION
YOUR SELECTION ~The Very Best of AKINA~ - 1993.4.25/10位/10.3万枚
企画意図の不明な非公式ベスト。詳細はよく分からんけども、ファンに人気の上位17曲を収録したリクエストベスト的なものらしい。らしい、ってのはどこでそんな投票したのか誰も知らないため(をい)。「I MISSED "THE SHOCK"」やら「LIAR」やら入ってないあたり、ある意味公式見解的とはいえるが、その分今となっちゃ何の価値も残ってない一枚。

akinabest6
Lyricism ~BALLADE COLLECTION~ - 1993.7.10/8位/7.7万枚
デスマスクのようなジャケットが妙に印象的なバラードベスト。バラードベストなんて今でこそ珍しくなくなったが、当時としては結構画期的だったんじゃないでしょうか。どうせなら本人に許可取ってやって頂きたかったです。リリース元ワーナーなのに、何故かビクターに移籍して以降の「Everlasting Love」「NOT CRAZY TO ME」が入ってるのは永遠の謎。そして「NOT CRAZY TO ME」はバラードですらない。それと収録曲全体がやけに初期に偏っていて、ワーナー後期の「雨が降ってた…」「難破船」などとことごとく不協和音。 80年代だけでもアルバム一枚ごとに声質や歌唱法が変化し続けた明菜さまならではの問題とはいえ、もうちょっと考えてほしかった。

akinabest7
AKINA - 1993.11.10/22位/1.8万枚
初のCDボックスコレクションと銘打たれた4枚組ベストアルバム。

北島由記子のライナーノーツに、お蔵になっていたフィルム引っ張り出したミニ写真集、受賞経歴一覧、ディスコグラフィと企画自体はそれなりに力の入ったものなのだが、肝心の収録曲が微妙。SEが施されていない、完全なオリジナルバージョンの「ミック・ジャガーに微笑みを」は未だにこれでしか聴けない貴重な音源であるのは確かなのだけど、「Misty Blue」「Burning Violet」「Purple Moon」なんていちいち恥ずかしいテーマが各ディスクに付けられてあり、その振り分け方もイマイチよく分からない……というかただ時系列順に並べてあるだけでテキトーの極み。そしてお蔵になっていた「Super Club Mix」もここでようやく放出されたはいいものの、大半は没になったのも無理はない、という出来。 てかこれ、6曲しかなかったの?ホントにそんなもの売れると思ってたのか、ワーナーは。まあ、結果的に2万枚くらい売れたんですが……ってよくよく考えたら凄いなこれ。現在は何故かプレミアがついていて入手困難になっているけど、そこまでして手に入れる価値はあまりないと思う。

akinabest8
もう一人の明菜 - 1993.12.10/89位/0.5万枚
なにこのセンスの残骸もないジャケット、正気?という見るからに安上がりなインチキ臭さを放ってはいるものの、内容はワーナー時代の全シングルのB面(カップリング)集という、ライノボックスが出るまでは非公式ベストの中で唯一価値のあった一枚。明菜さまは最初からA面、B面と分けて楽曲制作はせず、楽曲を完成させてからA面とB面に振り分けるという手法をとっていたので、明菜さまのカップリング曲はどれも異常に完成度が高いので必聴。「AGAIN」(/「SOLITUDE」)「LA BOHEME」(/「DESIRE」)「最後のカルメン」(/「ジプシー・クイーン」)「MILONGUITA」(/「TANGO NOIR」)「薔薇一夜」(/「AL-MAUJ」)「Blue On Pink」(/「LIAR」)などは明らかにA面食いの大名曲である。それにしても聖子ちゃんは公式でカップリングベスト出してるのに、明菜さまが本人監修では出さなかったことが不思議です。タイミング逃したのか。
しかし何だかんだ言いつつライノボックスがネット配信されている今となっては20年以上前の作品で音も悪く、とっくに廃盤になってるので存在価値は微妙。ワーナーも変な企画ベストで不発に終わるくらいなら、またこういうカップリング集を出せばいいのにね。

涙のかわりに・・・AKINA
涙のかわりに… ~BALLADE COLLECTION II~ 1994.3.25/83位/0.4万枚
タイトル読んで字の如く。相変わらずワーナー初期のアイドル時代の楽曲偏重でバランスの悪い収録曲。多分今日に至るまで言えることだけども、一連のインチキベスト企画してる人は初期の中森明菜にしか興味ないんでしょうかね。「MODERN WOMAN」の後に「ヴィーナス誕生」が来たり、「水に挿した花」と「トワイライト」が並んでたり、もう滅茶苦茶です。勘弁して下さい。

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PLAY WITH THE DANGER ~ROCK COLLECTION~ - 1994.3.25/82位/0.7万枚
タイトルのセンスのなさに脱帽。中二かよ。ロックコレクションならオリアルの「Stock」がありますし、というわけでこれ自体に価値がないのは言わずもがななんですが、収録曲のセレクトや曲順の滅茶苦茶ぶりは非公式ベストの中でも一、二争うものでこれはこれで面白いかな。何せフルパワーで歌い上げる本格HM/HR曲と、全英語詞のAOR曲と、初期のツッパリ路線のアイドル歌謡がごっちゃごちゃにブレンドされてるんだもの。「CRYSTAL HEAVEN」の後に「十戒」持ってくるセンスに痺れます。憧れはしません。

akinabest11
Only Woman ~Best of Love Songs~ - 1994.5.18/29位/2.4万枚
さすがにもうやり尽しただろ、と思ったら今度はラブソングベスト。その手があったか。しかしラブソングベストというのは名ばかりで、実際は代表曲をかいつまんで並べてあるだけ。分かりやすい選曲が受けたのかそこそこ売れている。ちなみにこれにも何故か当時ビクターからリリースしたばかりの「片想い」「愛撫」が収録されていて、せっかく新曲出してもすぐにワーナーの非公式ベストに回収される運命にあった当時の明菜さまには同情します。

中森明菜シングルス27 ′82-91
SINGLES27 1982-1991 - 1994.11.30/69位/1.6万枚
今度はシンプルにワーナー時代のシングルコレクション。2枚組で、各シングル盤の小さなジャケットレプリカとライナーノーツ付。「GOLDEN☆BEST」や「アイドル・ミラクルバイブルシリーズ」などと同系統だと思えば、一連の非公式ベストの中では割と良心的な企画内容。20年以上経った今日でもカタログ落ちせず現行盤ということで、多分ほとんどのライトリスナーはこれ一枚で事足りる。音質はバランス型で若干ショボめのリマスターではあるけども、90年代後半のワーナーはもっと酷いし、逆に最近のベスト盤は音量上げすぎ、低音盛りすぎな傾向があるので聴きやすさという点ではなかなか。とはいえ付属のライナーノーツはあまり信用出来るものでなかったり、おとなしめのリマスターなので原曲の迫力が一部削がれている点は注意。ワーナーもどうせ出すならこういう分かりやすい内容で出せばいいのにね。

TRUE ALBUM AKINA 95 BEST
true album akina 95 best - 1995.12.6/16位/8.6万枚
【収録曲】/// WILD DISC / 1.飾りじゃないのよ涙は (renewal) / 2.TOKYO ROSE / 3.TATTOO (renewal) / 4.GAIA ~地球のささやき~ / 5.BLONDE (renewal) / 6.愛撫 / 7.DESIRE -情熱- (renewal) /// WORLD DISC / 1.ミ・アモーレ[Meu amor e...]  (renewal) / 2.ジプシー・クイーン (renewal) / 3.原始、女は太陽だった / 4.TANGO NOIR (renewal) / 5.月華 / 6.二人静 -「天河伝説殺人事件」より (renewal) / 7.Shangrila /// WHISPER DISC / 1.スローモーション (renewal) / 2.セカンド・ラブ (renewal) / 3.LIAR (renewal) / 4.陽炎 / 5.難破船 (renewal) / 6.水に挿した花 (renewal) / 7.予感 (renewal)

久しぶりの公式ベストアルバム。やっとだよ。怒涛の非公式ベストラッシュに明菜さまも嫌気がさしたか、タイトルもスバリ皮肉のように「true album」なんて付けちゃったりして。しかし原曲の版権はワーナーに持ってかれてるので、明菜さま陣営側はセルフカバーベストという形で対処。
この手のセルフカバーの大半は、悪くないけどやっぱり原曲の方がいいよね、という結論に至るわけだが、明菜さまも例に漏れず。しかしこれは明菜さまのボーカル云々より、アレンジがショボ過ぎる方が問題かな。「DESIRE」とか「TANGO NOIR」とか改悪もいいところ。一方で「予感」「LIAR」「ジプシー・クイーン」などはより繊細になった明菜さまのボーカルと相まってなかなかの出来。「スローモーション」「セカンド・ラブ」は特に素晴らしく、原曲よりも好きだったり。 しかしそうは言ってもボーカルスタイルを変更した90年代以降の明菜さまにとっては、80年代の曲を今更録り直すのはあまり気が乗らなかったんだろうな。それが証拠に「少女A」「禁区」「十戒」などのツッパリ路線の曲は一切入ってないしね。昔の私がいいならワーナーが出してるインチキベストでも聴いてろということなんだろうね。そんなわけでライトリスナーには勧めませんが、ある程度作品を巡ったらいずれは手に取ってほしい一枚。

Recollection~中森明菜スーパー・ベスト~
Recollection AKINA NAKAMORI Super Best - 1998.5.25/120位/1.9万枚
「SINGLES27」と同じくワーナー時代の全シングルをまとめた2枚組ベスト。何故か中森明菜のベストといえばこれ、みたいな風潮があるのかレビューサイトなどでも結構取り上げられているし、実際聴いたことある人も結構いると思うけど、リマスターが下手くそで音質面では最低の部類なので注意。アナログ傾向のマスタリングを目指したのか知らないが、全体的に音が歪んでる。曲によっては歪みが酷くて気持ち悪くなる。多分こういう傾向のサウンドメイクが90年代当時流行ってた名残なんだろうけど、今となっちゃ聴きづらいだけの粗悪品でしかない。明菜さまの過去の名曲が、多くのライトリスナーにとってはこのベストの音で記憶されているというのは個人的には結構歯がゆい。頼むからせめて「SINGLES27」で聴いてくれ。

akinabest23
SUPER BEST - 1998.3.4/43位/1.0万枚

akinabest13
BEST COLLECTION - 1998.10.21/ランキング圏外

akinabest14
Special Best - 1999.10.20/ランキング圏外

akinabest15
SUPER VALUE - 2001.12.19/ランキング圏外
インチキベスト出してるのはワーナーだけじゃなくってよ、とビクターとユニバーサルから繰り出された非公式ベスト四姉妹。ジャケットやタイトルのセンスの無さはワーナーに負けず劣らず、内容の微妙さはワーナーより持ち得る楽曲の手札が少ない分、ワーナーの更に上を行っております。ビクターからリリースしたシングル曲、「true album」でセルフカバーされた過去のシングル曲、それにアルバム曲を何個かぽいして完成と。まあジャケットからして地雷臭が漂っているけども、これが結構TSUTAYAとかに普通に置いてあるから驚き。もちろん手に取るか否かは人それぞれです。

akinabest25
The Century of AKINA ~WARNER 30th Anniversary BOX~ - 2000.11.22/ランキング圏外
ワーナー設立30周年を記念してリリースされたボックスコレクション。アーティスト本人のならともかく、レコード会社のアニバーサリー企画でこういうの出すってのも結構珍しい気がするが、内容はシングルコレクションとかそういった類ではなく、あくまでセレクションベスト形式で各年代を代表する楽曲をシングルA/B面とアルバム曲からかいつまんでブレンドして収録したものが9枚、それに加えてライブセッションのベスト盤が1枚で合計10枚組。何気にパッケージがお洒落だったり、付属のブックレットは未公開写真のオンパレードだったり、一部楽曲は原盤とミックスが異なったものを何故か収録している(——アルバム「CRUISE」の楽曲で確認)など、地味に凝った内容。コレクションボックスではないのでファンがコレクターズアイテムとして買ってやるような代物ではあるが、どうせ出すならこれくらい作り込んでくれるとファンも素直に喜べるってもんです。

AKINA NAKAMORI 20th ANNIVERSARY BEST
AKINA NAKAMORI 20TH ANNIVERSARY BEST - 2001.11.14/ランキング圏外
「SINGLES27」「Recollection」などと並びレンタル店ではかなりの高確率で置いてある非公式ベスト。2枚組なので当然、ワーナー時代の全シングル網羅かと思いきや、内容は「The Century of AKINA」からのセレクションベストという企画らしく「禁区」「セカンド・ラブ」「TANGO NOIR」「BLONDE」「Fin」「I MISSED "THE SHOCK"」「Dear Friend」「水に挿した花」などは回収されておらず、しかし何故かビクター時代の「愛撫」「APPETITE」が収録されているという珍事態で、存在意義がよく分からん一枚。

Akina Nakamori~歌姫 ダブル・ディケイド~
Akina Nakamori ~歌姫ダブル・ディケイド - 2002.12.4/8位/8.3万枚
【収録曲】1.Double Decade Delivery #1 (instrumental) / 2.TATTOO / 3.ミ・アモーレ[Meu amor e...]  / 4.TANGO NOIR / 5.北ウイング / 6.SAND BEIGE ―砂漠へ― / 7.DESIRE -情熱- / 8.セカンド・ラブ / 9.水に挿した花 / 10.少女A / 11.駅 / 12.飾りじゃないのよ涙は / 13.Double Decade Delivery #2 (instrumental) / 14.スローモーション

これは一応「歌姫」シリーズになるのか??ってわけで書いてなかったけど、内容はセルフカバーだし数少ない公式ベストの一枚なので紹介。20周年だし、ちょっくら記念碑的作品でも出そうかねと明菜さま本人が企画を持ち込んで実現したセルフカバーベスト。前回の「true album」と違うのは、自身の過去の名曲を自ら「懐メロ」と割り切って、アレンジを思いっきり懐かしの歌謡曲タッチに仕上げている点。ここでの歌謡曲というのは、明菜さまが活躍した80年代よりも更に過去へ遡って50~60年代におけるそれらである。
東京スカパラダイスオーケストラの北原雅彦氏や「歌姫」シリーズではお馴染み千住明氏らを始めとする豪華演奏陣によって、まだコンピューターサウンドが確立される以前のビッグバンド、ジャズ、サルサ、ボサノヴァ風のアレンジに生まれ変わり、今日聴くと懐かしさも一周して寧ろ新鮮に聞こえたりもします。こういうの求めてるのか?って言われるといやあ別に、って感じなのですが「飾りじゃないのよ涙は」「TATTOO」あたりは原曲の完成度の高さと比べても、なかなか健闘してるんじゃないでしょうか。後はどんなアレンジになっても活きる「スローモーション」「セカンド・ラブ」の普遍性はもっと評価されるべきですね。逆に竹内まりや提供作にして様々な波紋を呼んだ「駅」は、歌唱もアレンジも開き直って竹内まりやバージョンに近付けたら一気に野暮ったくなって昼ドラ主題歌って感じ。これは違うでしょ。
などなど、結構聴き所の多いアルバムではありますが、中森明菜が懐メロ要員になってしまうのは解せない人間としては、ちょっと複雑な作品でもある。古き良き日本、あの頃はあなたも私も輝いていた、あれから20年……ってどこかの漫談家じゃあるまいし。所詮は過去の遺産の再利用に過ぎないので、方法としてはある意味正しいのでしょうが……むー。

中森明菜 25周年記念セレクション ベスト・フィンガー
BEST FINGER 25th Anniversary Selection - 2006.1.11/29位/1.5万枚
【収録曲】1.落花流水 / 2.スローモーション / 3.DESIRE -情熱- / 4.少女A / 5.初めて出逢った日のように / 6.北ウイング / 7.十戒(1984) / 8.Days / 9.ミ・アモーレ[Meu amor e...]  / 10.TATTOO / 11.1/2の神話 / 12.難破船 / 13.赤い花 / 14.The Heat ~musica fiesta~ / 15.TANGO NOIR / 16.飾りじゃないのよ涙は / 17.華 -HANA-

と言うわけで(?)二度目の公式セルフカバーベスト。「DESIRE」「少女A」「北ウイング」「十戒(1984)」「1/2の神話」が新録で、後は「true album」と「歌姫ダブル・ディケイド」からのリサイクル音源に、直近のシングル曲を放り込んだもの。
公式作品は手放しに褒めたいところなんですが、新録に関してはあまり喉の調子がよくない時に録音したのか、その仕上がりは微妙と言わざるを得ない部分があったりなかったり。「少女A」「十戒」「1/2の神話」あたりのかつてのツッパリ路線の楽曲は明菜さま本人にあまり思い入れがないためか、何の感慨もなくするーっと流れていってしまうし、「DESIRE」みたいなパワー至上の楽曲はあの頃とボーカルアプローチがまるで変わった現在の明菜さまにとって水と油以外の何ものでもなく。個人的にも「ゲラッゲラッゲラッ」はもうお腹いっぱいです。明菜さまが歌わずとも、今後は他の歌手やアイドルタレント、お水系の方々が歌い継いでいってくれますよ。
そんな感じでセールスとか考えると仕方ないのかもしれないが、別に無理に過去のヒット曲ぶち込むことなかったのになあ、という印象は否めず。ここだけで比べると当然だが過去作のリメイクより直近のシングル曲の方が遥かに聴き応えあり。このアルバムの一番のトピックは熱心な明菜ファンであり、かの有名な歌謡曲批評サイト管理人のお方が書いた明菜愛に満ち溢れたライナーノーツ。これだけでも手に取る価値は十分あると言える。

バラード・ベスト-25th ANNIVERSARY SELECTION-
バラード・ベスト 25th Anniversary Selection - 2007.3.28/13位/2.6万枚
【収録曲】1.難破船 (2007 Ver.) / 2.セカンド・ラブ / 3.あの夏の日 / 4.LIAR / 5.水に挿した花 / 6.陽炎 / 7.赤い花 / 8.SAND BEIGE ―砂漠へ― / 9.SOLITUDE (2007 Ver.) / 10.二人静 / 11.月華 / 12.予感 / 13.初めて出逢った日のように / 14.駅 / 15.帰省 ~Never Forget~ (2007 Ver.)

ようやく明菜さま監修の公式バラードベストが出たっ!…のはいいけども、内容はまたもセルフカバーベスト。新録が三曲+新曲で後は全て過去のリサイクル音源。これに関してもやはり賛否両論だろうが、個人的には「BEST FINGER」とは違い、こちらは大いにあり、ですね。かつての絶唱型から囁き型にボーカルスタイルを変更した結果か、より情念が伝わってくるようになったというか、より深い哀愁や寂寥が表現されている。その昔「駅」で披露した囁きボイスをナシとバッサリ切り捨てた山下達郎大先生をはじめとする大多数のリスナーには、さっぱり理解出来ないのでしょうが。
色々あるけど新録曲での一番のトピックはやはり「難破船」じゃないかな。やはり今のボーカルアプローチなりに絶唱なのだけど、原曲の張り詰めた雰囲気はすでになく、常に生きるか死ぬかの恋愛に溺れていた若き頃の自分を「そんなこともあったわね」とワインでも燻らせながら静かに追体験してるような、そんなイメージすら浮かぶ。逆に「帰省 ~Never Forget~」は原曲よりも迫力が増していて、最後の最後にこれでは帰省どころか二度と帰って来なさそうなイメージすら抱いてしまうけども、今振り返るとこれが新たなる旅立ちの一歩だったのでしょうね。しかし何やかんや言いつつ一番リメイクが成功してるのは「SOLITUDE」かな。新曲「あの夏の日」も地味だけど、名曲です。
セルフカバーはぶっちゃけ明菜さまに限らず残念な結果に終わるものが多いけど、バラードに関しては第二弾を出してほしいと素直にそう思える作品。もちろん初心者にはお勧めしませんが。

歌姫伝説~’90s BEST~
歌姫伝説 ~90's BEST~ - 2008.2.27/37位/0.7万枚
【収録曲】///※通常盤 / 1.Everlasting Love / 2.NOT CRAZY TO ME / 3.片想い / 4.愛撫 / 5.夜のどこかで ~night shift~ / 6.月華 / 7.原始、女は太陽だった / 8.TOKYO ROSE / 9.MOONLIGHT SHADOW -月に吠えろ / 10.APPETITE / 11.今夜、流れ星 / 12.帰省 ~Never Forget~ / 13.とまどい / 14.Good-bye My Tears / 15 It's brand new day

ジャケットといいタイトルといい、凄まじいインチキ臭が漂っておりますが、一応公式作品。とは言ってもあからさまな契約消化ですよねこれ。しかし内容はというとビクターに移籍して以降、ガウス所属時代までの90年代のシングル曲をまとめた、ありそうでなかった90年代ベスト。何故か毎回スルーされる「オフェリア」以外は、90年代のシングル曲がこれで全て押さえることが出来る。期間限定生産で幻となっていたミニアルバム「VAMP」も初回限定盤のみだがここで全曲回収された。
改めて90年代以降の明菜さまを聴くに、昨今なんやかんやと注目を集めている明菜さまが度々批判されるボーカルスタイルの変化は、90年代のこの時期をすっ飛ばして聴くから不自然に思えるのであって、80年代の楽曲から順番に90年代、00年代と聴いていけば何もおかしくない、寧ろ自然な変化を遂げていることが分かる。この時期以降は完全にアルバム主体の活動に転向したので、80年代の頃ほど分かりやすく派手な楽曲はないが、その分ボディブローのようにじわじわと効いてくる名曲が増えた。これを良しとするか否かは人それぞれだが、今の中森明菜のボーカルスタイルが気に食わない人は、そもそもこのアルバムを手に取ることはないだろう。 

コンプリート・シングル・コレクションズ~ファースト・テン・イヤーズ(ライノ・プレミアム・エディション)
コンプリート・シングル・コレクションズ ~ファースト・テン・イヤーズ <ライノ・プレミアム・エディション> - 2009.6.10/75位/0.1万枚
米ワーナーの傘下レーベルであるライノ・エンタテインメントがリマスタリングを手掛けたワーナー時代の全シングルコレクション。過去の「SINGLES27」「Recollection」とは違い、A面だけでなく各シングルのB面まで完全網羅し、その全てがライノによる最新デジタルリマスタリングを施されている。特殊パッケージに豪華ブックレット+ライナーノーツ付、という至れり尽くせりな内容で間違いなくマストアイテム——と言いたいところなのですが、肝心のライノによるリマスターがこれまた微妙。とにかく低音増量傾向で、個人的には高音が全部詰まって聴こえて全体的に上から蓋されてるような感じ。明菜さまの楽曲って本人の意向もあって、80年代当時からすでに低音偏重のドンシャリサウンドなんだから、リマスターで低音増やしちゃったら聴きづらくなる一方なんだよーっ…と前にもどこかで書いたような。一部楽曲では低音増やしすぎた弊害か音割れと歪みも発生。なんか「Recollection」のリマスターに近いものを感じます。値段もやや高めなのでライトリスナーが普通のベスト盤感覚で手に取るには少しハードルが高いとは思うけども、現状シングルボックス以外でシングルB面を網羅しているのはこれしかないので、完全にナシとバッサリ切り捨てるわけにもいかない、扱いが非常に難しいアイテム。とはいえ、あくまで自分がこの音質合わないってだけで、気にならない人にとってはマストアイテムであることに違いはない。

ベスト・コレクション~ラブ・ソングス&ポップ・ソングス~
BEST COLLECTION ~LOVE SONGS & POP SONGS~ 2012.7.11/15位/3.0万枚
30周年目にしてリリースされたリーサルウェポン的インチキベスト。内容は曲目こそワーナー時代を完全網羅しているというべきベストアルバムなのだが、肝心の各楽曲のアレンジをリメイクと称してただ適当にいじくり倒しただけの粗悪品。原曲にはないコーラスを付け加えてみたり、曲の雰囲気完全無視のSE施してみたり、音数減らしてみたり逆に余計な楽器増やしてみたり、それらひとつひとつがプラスに働いているならともかく、原曲より良くなっていると感じた楽曲は個人的にひとつもない。 「禁区」のボーカルなんてまさかの没テイクを引っ張り出してきているし、何がやりたかったんだろ。いくら権利を所有していて好き放題出来るとはいえ、明菜さまの楽曲はアレンジやマスタリングの実験台ではないぜよ。素人がニコ動にアップしてるリミックスと大差ない出来で、これを中森明菜名義で出されてしまうあたり、一体過去ワーナーとの間に何があったのかと勘ぐりたくなる。ともかく、ライトリスナー向けに大々的に宣伝してそこそこ売れてしまった代物だが、ライトリスナーこそ手を出してはいけない作品。これが中森明菜の楽曲であると思われたら堪ったものではない。ある程度原曲聴き込んだファンが間違い探し程度に聴くならいいのかもしれないけど…果たしてそんな人いるのか。

ドラマティック・エアポート-AKINA TRAVEL SELECTION-
ドラマティック・エアポート -AKINA TRAVEL SELECTION- - 2014.1.29/57位/0.2万枚
久々にワーナーがやりやがった。中森明菜で旅ベストを作る、って企画自体はまあ分かるんですけど(——異国情緒路線の楽曲多いしね)、まず冒頭「北ウイング」から始まり「サザン・ウインド」「SAND BEIGE」「最後のカルメン」などが並ぶ前半部分はそれなりに上手くまとまってるのに、後半「トワイライト」あたりからあれえとなって、何の脈略もなく唐突に放り込まれる「Blue On Pink」で完全にアウト。曲自体は個人的に80年代の全楽曲でも三本指に入るくらい好きなんですが…これ、旅情曲なの?恋に破れた女性が人込みかき分けて雑踏の花屋に立ち寄るってただそれだけの曲だけど、それって旅なの?…その割には京都舞台にした「脆い午後」は入ってないし、他にも「ロンリー・ジャーニー」とか「赤い鳥逃げた」とか、お誂え向きの楽曲はことごとく未収録。何なんやろうねまったく。「STAR PILOT」なんてスタッフが聴きもせずにタイトルだけ見てぶち込んだ感。企画が良くても肝心の中身がきちんと練られていない……ってまあ、今に始まったことではないけども。お勧めかどうか?それは愚問です。

Burning Love~情熱の夏ベスト~
Burning Love ~情熱の夏ベスト~ - 2014.6.18/83位/0.1万枚
旅ベストで大失敗して今度はこれ。春夏秋冬の中で一番明菜さまとは縁がなさそうな夏がテーマのベスト……もう何も言うまい。避暑地を遊歩系の夏なのか、情熱的に燃え上がる夏なのか、優雅なリゾート気分の夏なのか、まずその時点でテーマが絞れていない。だもんだから唐突に「DESIRE」とか放り込んじゃうわけだ。そもそもこれって夏曲なのか。一方で「AGAIN」みたいな明確に夏を舞台にした楽曲は入ってない。もう素直にサザンやTUBE聴いてなさい、と。
それ以前に、この手の企画ベストってレコード会社側が出さなくても今の時代ファンはすでにプレイリスト自分で作ってウォークマンやiPodに入れてるなりCDに焼くなりしてるんだから、シンプルにリマスターシングルコレクションだけ出してればいいものを。どうしても出したいなら、せめてパッケージにこだわるとか、廃盤になってしまった「もう一人の明菜」のコンセプトを引き継いだカップリングベストを再発するとか、もっとこう…あるだろう。ともかく、所有している楽曲はきちんと有効に活用してくださいな。お勧めかどうk(略)

オールタイム・ベスト-オリジナル-Special Edition(DVD付)
オールタイム・ベスト ―オリジナル― - 2014.8.6/3位/12.0万枚
≪詳細はこちら

※※※一般流通しているベストは以上ですが、Amazonで検索をかけるとまだまだいっぱい出てきました※※※

中森明菜 ベスト 1 WQCQ-451
中森明菜
株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
2012-12-19


中森明菜 ベスト 2 WQCQ-452
中森明菜
株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
2012-12-19


※↑この2枚はカスタマーレビューによると廉価な割にリマスター上手くて音質ナイスな模様。自分は聴いたことないので滅多なことは言えませんが、2010年代以降のワーナーのリマスタリングは総じてバランス型のスッキリした音質傾向なので、少なくとも「Recollection」よりはお勧め出来るかと。それにしても相変わらずパッケージのセンスないね。










中森明菜 ザ・ベスト
中森明菜
株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
2012


中森明菜 スーパー・ベスト
中森明菜
ワーナーミュージック・ジャパン
2010-01-01




——こんなに出てたのか……
これ以外にもTSUTAYA限定で1000円とか900円とかで売ってる廉価ベストなどもあり、それら含めると一体いくつあるのかもう想像もつきません。この手の昔のアイドルや90年代のミリオンアーティストなどが廉価ベスト乱発されるのはある程度は仕方ないとはいえ、いくら何でも多すぎ。自分もこの記事書くのに検索して改めてその量の多さに驚いてしまった。
——結論を言えば、どれを手に取るかはやはりその人次第ということになるのだが、ある程度J-POPを聴き込んでる人で中森明菜をある程度押さえておきたい、と思うならやはり「BEST」「BEST II」「SINGLES27」「オールタイム・ベスト」あたりがやはり最良の選択になるのかな。"中森明菜が聴きたい"のではなく"中森明菜のあの曲が聴きたい"程度なら、その曲が入ってるベスト盤を、それこそTSUTAYAで売ってるような廉価ベストでも何でもいい、適当なものを選べばいいかと。

でもやっぱり、ベストだけでなくオリジナルアルバムをきちんと聴いてほしいなあ、というのがファンの本音だったりしますが、それはまた別の機会に。